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遺産分割協議でもめてしまった場合

父が亡くなり(遺言書はありません)、母と私達兄弟で遺産の分け方を話し合いましたが、それぞれ勝手なことを言うので、なかなか話がまとまらないんです。もう疲れてしまって…
このような場合どうしたらよいのでしょうか。

揉めてしまったのですね。
どうしても話し合いではまとまらないようでしたら、家庭裁判所に「遺産分割調停」又は「遺産分割審判」の申立てをして、問題の解決を図る方法があります。

やっぱり、裁判所に頼るしかないのですね。
ただ、遺産分割調停と遺産分割審判ってどういうものなんでしょうか。

まず、遺産分割調停とは、簡単にいえば、家庭裁判所の関与のもと、相続人全員の話合いによる合意を目指すものです。
調停は次のように行われます。

家裁に調停の申立て
  ↓
受理
 ・ 家事審判官(裁判官)1名と家事調停委員2名で調停委員会が作られます。
 ↓
調停期日
 ・ 家庭裁判所に当事者等が出頭し、非公開で行われます。
 ・ 調停の申立人と相手方は、直接顔を合わせることなく、交互に調停室に入り、調停委員に紛争の実情や、分割案の希望等を話します。
 ・ 調停委員会は、中立的な立場で、助言や調停案の提案をしてくれます。
 ↓
当事者が合意
 ↓
調停成立  
 ・ 合意内容が調停調書に記載され、調書は確定審判と同一の効力を持ちます。 

ですから、もし、合意どおりに履行されない場合、執行文等の付与を受けなくても、すぐに強制執行をして、分割を実現することができます。

でも、もし、調停でも合意がされなかったら…?

当事者間で合意が成立する見込みがないと調停委員会が判断した場合、調停は不成立となります。
この場合、当然に遺産分割審判手続に移行します。

今度は遺産分割審判ですか。

この遺産分割審判とは、家事審判官が、様々の事情を総合的に考慮して、各相続人の相続分に反しないよう分割を決定する手続きです。
調停と異なり、当事者の合意がなくても分割方法が決定されます。
認容審判が下されると、判決と同様の効力を有します。

最初から遺産分割審判を申し立ててしまった方が、手っ取り早い気がするのですが…

お気持ちはよく分かります。
実は、遺産分割事件では、法律的には、調停申立てと審判申立てはどちらを先にしてもよいこととなっているのですが、実務上は、職権でまず調停に回されるのが一般的なのです。

相続争いが起きると大変なんですね。
お父さん、遺言書を残してくれていたらよかったのに…